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令和6年に開催された婦人発明家協会主催の発明コンクールにおいて、日刊工業新聞社賞を受賞いたしました。

今回は「バッグ」でも「財布」でもなく、日頃から「不便だな」と考えていたことを解決するために考え出した「ハンガー補助パイプ」での受賞です。

皆さんは「スラックスのしわ」について、深く考えたことってありますか?
自衛官だったせいか、スラックスのしわには特に敏感になってしまっています。

ハンガーにスラックスを二つ折りにしてかけていると、(特に針金ハンガーやプラスチックハンガー)スラックスの重みで中央に寄ってしまい、スラックスを履いたときに、太もものあたりに皺がよってしまうのです。

ピンチ付きのハンガーにすれば、そもそもしわにならない、というお考えもありますが、
スラックスを挟むのが面倒、しかもスラックスを折らずに収納できるスペースがないので
「二つ折りにしてハンガーにかける」のは必須だったのです。

そこで最初に考えたのは「ラップの芯に切り込みを入れてハンガーに取り付ける」ことでした。

機能としては理想的でした。ただ、ラップの芯は長くても30cmほどで、ワイドパンツなどをかけるには不十分です。

それに、切込みを入れているので、どこか一部をハンガーに固定するようにしないと、ハンガーから外れてしまいます。

つまり、
1.ハンガーの幅ギリギリの長さのパイプであること
2.ハンガーから外れないようにすること

という二つの課題をクリアしないと、「スラックスにしわが寄らないようにする」という結果が得られないのです。

それからこれは私のこだわりでもありますが、「一つの物に一つの機能」というのが好きではありません。スラックスのしわ防止対策以外の機能も持たせたいと考えました。

そして出来上がったのが、「ハンガー補助パイプ」です。

見た目はなんてことのないパイプだと思われるかもしれませんが、写真でご覧いただいているように、ハンガーの肩の部分に取り付けることも可能にしました。

TシャツやYシャツなどを干すときにこれを使用すると、内側に少し空間ができて乾くのが早くなります。

実はこの婦人発明家協会の発明コンクールでは、「書類審査」と「二次審査」が行われます。
「書類審査」に通過した作品だけが「二次審査」に進み、二次審査では「先行調査」も行われます。

厳正なる審査を経て決まる受賞ですので、2年連続で入賞できたことをとても光栄に感じています。

また、この婦人発明家協会が主催する「なるほど展」(コンクール受賞作品の展示と会員の発明商品の即売会」には、毎年女性皇族がお出ましくださり、私達女性発明家を励ましてくださいます。

私も、去年に引き続き秋篠宮佳子内親王殿下と直接お話しする機会に恵まれ、「なるほど!」とおっしゃっていただきました。

今は昔と違って、多くの物であふれています。ただ、そうは言ってもまだまだ「不便だな」「解決したいな」と思うことも多いので、これからも「不便をチャンスに」と捉えて、問題を解決していけたらいいな、と考えています。

日刊工業新聞社 島田様と

婦人発明家協会会長 福島理恵子氏(都議会議員)と