• 整理収納の理論に基づいた商品の開発と整理収納の理論をお伝えしています。

今まで使ってきた財布を振り返って「確実にそうとは言えないけど、もしかして使いにくい・・?」と皆さまが思うところはここじゃないかな、というのを考えました。

今後の財布選びの参考になれば幸いです。

この財布のここが、などと言うとキリがないので、ズバッとポイントを押さえて言うとしたらこの一言に尽きます。

「利き手がフリーにならない」

これが「使いにくい」と思う正体ではないでしょうか?

どういうことかと申しますと、
皆さん財布を使う時には利き手ではない手で財布を持つと思います。
そして利き手でカード、お札、小銭を探して出します。
カードやお釣りを受け取るのも利き手、それをしまうのも利き手です。

この利き手が完全フリーだと、カード、お札、小銭を出しやすくてしまいやすい状況になるはずです。

では完全フリーではない状況とはどんな状況でしょうか?
ここからは状況を想像しやすくするため、右利きの方を想定して書いていきます。

まず二つ折りの財布だと、左手で財布を持ち、右手の甲や指でお札入れを広げながらお札を出します。小銭入れも、蓋を右手の甲や指で押さえながら小銭を出します。

ここで既に完全フリーではありません。「広げながら」や「押さえながら」です。

三つ折りの財布もそうですね。

ボックス型の小銭入れも、小銭入れだけだったら「使いやすい」はずです。左手で蓋を押さえれば右手は完全フリーになりますから。
でも、二つ折り財布にボックス小銭入れが付いていると、思ったほど使いやすくありません。その理由は前述のとおり。左手で財布を持ち、右手で蓋を押さえなければいけないからです。

いかがでしょうか?ご想像いただけましたか?

馬蹄形の小銭入れ、これはとても使いやすいと思っています。やはり右手が完全フリーになりますね。

小銭入れと札入れを分けてお使いの方は、もしかしたら無意識に「一番使いやすい形」を選んだ結果として分けていらっしゃるのでしょうか。

この「利き手完全フリー」に、小銭入れの幅や深さ、カード入れの形、お札が入る場所や向きなどが合わさって「使いやすい財布」となるのでしょう。

もちろんこれが全てではありません。大きさや硬さなども使いやすさのポイントとなります。また、使う人の手の大きさによっても、使いやすさに差がでることもあると思います。

私の母はリューマチを患っていまして、指に力が入らないそうです。
がま口はとても便利ですが、母はそれを開けることができません。

このようなことから、全ての人に「使いやすい」と思っていただける財布は存在しないと思っています。

ですが、ご自分が主に財布を使うシーンや欲しい機能を明確にすることで、「最も使いやすい財布」に出会える確率はグンと上がります。

「年間○○万個売れました」や「ドラマで使用」などというフレーズに惑わされず、ご自分が使いたいと思う財布をとことん探してください。

余談ですが、デパートで長財布(ラウンドファスナー)の中を見ようとしてファスナーを開けたら、第一コーナーを曲がってすぐのところでファスナーが止まり、何をしてもそれ以上開かないことがありました。店員さんに伝えて見てもらったところ、中の小銭入れのファスナーの引手が、表のファスナーに引っ掛かっていたそうです。お会計の場でそのようなことが起きたら、かなり焦りますね。そしてその財布は二度と使わなくなることでしょう。